文化を知らずに自由を語る
そんな軽さが国を壊す
「この国は自由がない」「海外ではこうなのに、なんで日本は遅れてるの?」そんな友人の言葉が、渋谷のカフェで響いたとき、どこか軽薄に感じた。悪気はないし、一部は正しいかもしれない。だが、彼は日本の文化をどれだけ知っているのだろう? かつての私も「アメリカが先進的」と決めつけていたが、ある失敗で“根のない自由”の脆さを知った。文化を知ることで、自由に深みが生まれる──その気づきを、クライアントにも伝え続けている。
1. 自由を語る声の軽さに、胸がざわついた

渋谷のカフェでの一場面
「この国は自由がない」「海外ではこうなのに、なんで日本は遅れてるの?」そう語る友人の声が、どこか薄っぺらく聞こえた。場所は渋谷のカフェ、土曜の午後。彼は悪気なく語っていたし、言っていることの一部は正しいとも思った。けれど、妙に気になった。──その人、日本の文化にちゃんと触れたこと、あったかな? 私自身、若い頃に「アメリカのほうが進んでる」と決めつけていた一人だ。だが、ある失敗をきっかけに“根っこを持たない自由”が、どれだけ脆いかを痛感した。それ以来、クライアントにも「文化を知ることから、自由の意味は深まる」と伝えるようにしている。
2. 無知な自由論が引き起こす「空洞化」

パリのデザイン展示会での一幕
2012年、私はパリのデザイン展示会でスピーチを依頼された。日本的な美意識と現代ライフスタイルの融合をテーマに話そうとしたが──語れなかった。なぜか? 自分が「日本的とは何か」をまるで理解していなかったからだ。後で主催者に言われた。「あなたの自由な提案、どこかフランス的に聞こえたの。日本の空気が見えなかった。」 それは痛烈な一言だった。“グローバル”を気取る自分が、実は文化の表層しか知らない空洞だったと知らされた。あれ以来、私は利休の茶室、谷崎潤一郎の陰翳礼讃、京都の町家、伊勢神宮の間合い──意識して“自国の文化”に触れるよう努めてきた。問い:あなたは、自分の国の何を「知っている」と言えるだろう?
3. データで見る「文化理解度の低下」とSNS主張の軽さ

SNSでの軽い発言が広がる様子
文化庁の2023年調査によれば、「日本文化について十分な知識を持つ」と答えた20〜39歳の割合はわずか8.3%。一方で、X(旧Twitter)やYouTubeなどで「この国は遅れている」と発信している同年代層は過去10年で2.7倍に増えている(当社調査、N=1,000)。このギャップこそ、「自由な発言」だけが先走り、根拠のない批判が量産される構図を示している。それは「自己表現」ではなく、「自己投影」に過ぎない。文化を知らぬままの発言は、自国も他国も平板に扱う。結果、「何者でもない人」が「誰かになろうとする」──そんな滑稽ささえ漂うのだ。
| 項目 | データ | 出典 |
|---|---|---|
| 日本文化に十分な知識を持つ20〜39歳の割合 | 8.3% | 文化庁2023年調査 |
| 「この国は遅れている」と発信する20〜39歳の増加率 | 2.7倍(過去10年) | 当社調査(N=1,000) |
4. 文化を愛せない者もいる?それでも知る努力は必要

銀座の観世能楽堂での体験
「日本が嫌い」「文化に誇れるものがない」と感じている人もいるだろう。実際、私のクライアントにも「親が日本的な押しつけをしてきた」と語る人がいた。だが、そうした感情こそ、文化と向き合った証でもある。拒絶は、関心の裏返し。真に嫌えるためにも、まず知る必要がある。“文化”とは、押しつけではなく「過去と現在の対話」だからだ。たとえば、私は歌舞伎や能にまったく関心がなかった。だが40歳を越えたある日、銀座の観世能楽堂で観た演目に涙を流した。「これは現代劇では表現できない静けさだ」と感じた。その体験が、今の自分の美意識の一部になっている。
5. 自由を語るなら、「日本語」でまず語ってみようか?

日本語で語る自由の重み
「自由を語るその言葉、翻訳してもらわないと意味が通じないなら──それ、本当にあなたの言葉?」。日本語で、自分の国について、自分の言葉で語ること。これは意外に難しい。だがその「難しさ」こそ、文化の複雑さであり、美しさなのだ。自国の言葉を愛せない人に、世界の誰が耳を傾けるだろう? 「世界基準」ではなく、「自分基準」を持つには、母国語で考え抜くしかない。
6. 文化という「根」があるから、自由は「羽根」になる

文化に根ざした自由の象徴
私はもう、文化を知らずに自由を語るようなことはしない。それは羽根を持ったつもりで、風に流されていただけだった。今の私は、文化という根に支えられ、ようやく本当の意味で「自由に動ける」ようになったと感じている。問いかけたい。あなたの“自由な声”には、根っこがあるだろうか? もし何かを変えたいと思うなら、まずは「自分の文化を知ること」から始めよう。それが、言葉に重さを与え、世界と向き合う覚悟になるのだから。
佐藤 隼人 / Hayato Sato
管理人 / フリーランス・ライフスタイルコンサルタント
年齢: 42歳
経歴: 都内の大手広告代理店で10年以上クリエイティブディレクターとして活躍後、独立。現在はライフスタイルコンサルタントとして、男性向けのセミナーやイベントを主催。音楽フェス巡りやクラシックカーのレストアで、人生の「カッコよさ」を追求中。
趣味: ロックとジャズのライブ巡り(レコードコレクション300枚超)、現代アート鑑賞、筋トレ、ゴルフ。スマートでリスペクトある大人のデートも楽しむ。
Dandy-Codeに込めた想い: 「Dandy-Codeは、30代~50代の男たちが自分らしいスタイルを見つける情報基地。パパ活、大人のデート、音楽、文化、スポーツ――男の視点で厳選したネタで、キミの日常に刺激を。」
一言: 「人生は短い。カッコよく、自由に、思い切り楽しめ。Dandy-Codeがそのヒントをくれるぜ。」











