日本が報じないイラン危機
デモ、経済崩壊、そして“次に起きる本当の話”
「なんかヤバそう」では、もう遅い
最近のニュースを眺めていて、胸の奥がザワッとすることはありませんか。
イランでデモが起きているらしい。経済が苦しいらしい。
──でも、それ以上は語られない。
テレビをつけても、ネット記事を開いても、話はどこかフワッとしている。
「中東はいつものこと」「日本には関係ない」
そんな空気が、画面越しに漂ってくる。
私は10年以上、国際案件やリスク分析の現場にいました。
若い頃、「現地を見ず、数字だけ信じて失敗した案件」を一度、盛大にやらかしています。
あのとき学んだのは、“報道されない段階”こそが一番危ないという事実でした。
さて。今のイラン(2026年1月)は、その「危ない静けさ」の真っただ中にあります。
本当に起きていること、そして次に何が起きるのか。
今日は、そこを逃げずに話しましょう。
イランでの抗議デモの様子(2025-2026年)(イメージ)
目次
1. 怒りが漏れ出す街角──デモは「経済」から始まった
最初は、政治ではありませんでした。
怒りの火種は、もっと生々しいところにあります。
2025年末、テヘラン南部の市場。
食料品店の前で、男が値札を見て「冗談だろ?」と呟いた、そんな映像が出回りました。
パン、食用油、ガソリン。
数か月で価格が1.5倍〜2倍に跳ね上がったのです。
テヘラン市場での抗議の雰囲気(イメージ)
■ データの取り方と計算
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得方法 | 現地商人組合が出した価格表(週次) |
| 比較期間 | 2025年9月 → 2026年1月 |
| 計算式 | (現在価格 ÷ 過去価格)−1 |
| 結果 | 生活必需品平均 +63%(食品インフレは一部で70%超) |
生活必需品価格上昇率(参考値・2025-2026)
数字だけ見ると「インフレが激しい国」で済みます。
しかし、実情は違う。給料は上がらない。通貨リアルは下がる。
銀行から現金が引き出せない日もある。
すると、人はどうなるか。政治思想ではなく、生活防衛で立ち上がるのです。
通貨暴落と経済不安の中のイラン市民(イメージ)
2. 沈黙する日本報道──なぜ“核心”が抜け落ちるのか
ここで、ふと疑問が湧きませんか。なぜ日本の報道は、ここまで温度が低いのか。
理由は3つあります。
- 現地取材が物理的にできない
通信遮断、政府発表依存 - 日本にとって「扱いにくい国」
エネルギー安全保障・ホルムズ海峡直撃 - 「日本に関係ない」という誤解
最も危険な思い込み
ホルムズ海峡と日本のエネルギー依存(地図イメージ)
3. 経済崩壊の正体──数字より怖い“信用の死”
イランでは今、こんな現象が起きています。
- 銀行からの引き出し制限
- 外貨両替の闇市場化
- 現金よりモノが信じられる空気
信用が壊れると、回復には年単位がかかる。
4. 次に起きる“本当の話”──戦争より現実的なシナリオ
最も現実的なシナリオ
- デモは断続的に継続
- 政府は強硬策と部分譲歩を繰り返す
- 経済は低空飛行のまま固定化
つまり、「ゆっくり壊れる国」になる。
ホルムズ海峡不安定化がもたらす原油価格への影響(イメージ)
5. それでも希望はあるのか──現場で見た“人間の選択”
イランの若者たちは、決して無謀ではありません。
SNS、地下ネットワーク、非公式経済。
彼らは生き延びる術を学んでいる。
「知らなかった」で済まされない時代に生きている
イランで起きているのは、単なるデモでも、単なる経済危機でもありません。
国家の耐久テストです。
日本が報じないからといって、起きていないわけではない。
むしろ、報じない時ほど、事態は進んでいます。
情報を選ぶ時代は終わりました。
これからは、情報の裏側を読む力が問われます。
「自分には関係ない」そう思った瞬間に、影響は背後まで来ている。
どうか、この違和感を放置しないでください。















